1-11.冠詞の使い分け

 旧情報と新情報の区別が問題となる場面に、a(an) と the がある。
 これらの冠詞の使い方についておさらいをしておこう。

冠詞

(1)基本的な冠詞の使い分け

 名詞の性質を図にあてはめると、基本的な使い分けができる。具体的
 にみてみよう。
   
  A)I don’t like a movie.
  B)I don’t like the movie.
  C)I don’t like movies.

 Aの文は「嫌いな映画がある」という意味で、どの映画かは相手には
 まだ分かっていない。これに対してBの文では、私が嫌っている映画
 がどの映画かを了解している。Cの文のように複数形にすると、「映
 画というものが好きだ」という一般的な話になる。

 なお、the には、「話し手同士の了解を示すはたらき」のほかに、
 「区別する機能」がある。例えば、朝昼晩や単位には the がつく。
 この the は「あれでなくてこれ」という意味だ。

  D)I get up early in the morning.
  E)They sell eggs by the dozen.

(2)本来数えられない名詞に a(an) がつく場合

 本来数えられない名詞(不可算名詞)に a(an) がつく場合がある。
 不可算名詞とは、カタチのないモノの名前やモノの価値を表す名詞
 である。「昼食をとる」と言う場合は have lunch というように
 冠詞はつかない。カタチがないからである。

 しかし、lunch に形容詞がつくと a(an) がつく。

  F)I had a delicious lunch today.(今日、おいしい昼食を食べた) 

 a(an) は「同じものがたくさんある中の1つ」という意味だが、
 これが本 来カタチのない不可算名詞にも及んだのだ。

 さらに、“a(an)”には「ひとまとまり」を表すことがある。

  G)I has a cold.(風邪をひいている)
  H)Let’s go for a walk.(散歩に行こう)

 Gの文で“cold”(風邪)は数えられない名詞だ。それなのに a が
 いているのは奇妙な感じがする。
 しかしこの a は、発熱、悪寒、鼻水などの症状をひとまとまりにした
 「風邪」を表している。同じような表現に go to a job というもの
 がある。これは「もろもろの仕事があるからやってくるね」という
 意味だ。
 Hの文の場合も、一定時間をひとまとまりにしているので、a がつい
 ている。

(3)名詞のもつ「機能」に重点がある表現

  I)He went to school just now.
  J)He went to the school just now.

 Iの文はでは school には the がついておらず、この場合、彼は
 学校へ勉強をしに行った、という意味になる。つまり、学校の機能に
 注目しているために冠詞がつかないのである。

 これに対してJの文は、学校という「建物」に行ったという意味だ。
 同じような例に、by train(電車で)とか、go to bed、
 play guitar などがある。

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1-10.There~構文の使い方

 英語には、相手がすでに知っている情報(既知情報)と、相手がまだ
 知らない情報(未知情報)を暗黙のうちに区別している表現がある。
 There~の文(~が ある)がその代表格だ。次の文を見てほしい。

  A)The taxi stand is a three-minute walk from the station.
  B)There is a taxi stand a three-minute walk from the station.

 上のAの文もBの文も、「駅から3分のところにタクシー乗り場がある」
 という事実を伝える。
 ただ、その対象(タクシー)を相手が知っているかいないかが違う。

 そして、There ~の文は、相手がまだ知らない対象についての情報
 を提供する場合に使うのがルールだ※注

 相手が知っているタクシー乗り場についていうときは、Aの文のように、
 特定を表す”The”をつけて、”The taxi stand”は文頭に置かれる。
 このとき、There ~の文を使うと、気味悪い文になってしまう。

 これに対して、相手が知らないタクシー乗り場について言うときは、
 Bの文のように、不特定を表す〝a"をつけて、a taxi stand は
 There is の後に置かれる。

 もう一つ例を挙げよう。「ケンはいますか?」と聞きたいときは
 どのように言えばいいだろうか。

 この場合、Is there Ken? と言ってしまうと誤りになる。
 There is~の文は、相手が知らない情報を持ち出す場合に用いる
 ものだからだ。正しくは、"Is Ken there/here?"と言う。

 ※注 “Here is ~”(ここに~がある)の場合は、相手の既知・未知は問わない。Here is your book. という文はふつうに使われる。

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1-9.状態動詞の進行形?

 1-8の続きだが、学校で習うように「状態動詞は常に進行形にしな
 い」と考えてしまうと実際の会話で苦しい思いをしてしまう。状態
 動詞にも、進行形にする場合があるからである。

 相手が「自動的に終了する」ということに納得するような場合には、
 状態動詞でも進行形にするのだ。

 まず、「見る」「見える」で考えてみよう。

 「見る」という場合、look at, see がある。同じ「見る」でも、
 look at は顔(視線)を対象の方へ向けて「見る」、seeは自分の視界
 に対象が入ることで「見える/分かる」、という意味である。

 例えば、“He looked at the sky to see what the weather
 was like.(天気はどうかと空を見た)” は、空に顔を向けるのが look、
 様子を確かめるのが see で表現されている。

 ここまでは、いい。しかし、ここからが問題だ。

 学校や塾で習うように、『see は「見える」という意味の状態動詞だから
 進行形にできない』、とバッサリ切り捨ててはいけない。実際の英語で
 は、see の進行形をよくみかけるのだ。    
  
  A)She is seeing him.(彼女は彼と付き合っているんだ)
  B)He is seeing that picture.(彼はあの絵を見ているところだ)
  C)I see. (分かった)

 Aの場合の see は「付き合う」という行動を示すので、お付き合いが自
 然消滅することは当然ありうる。だから進行形にしても違和感はない。

 Bの場合の see は「見ている」という状態を示すが、いずれ自動的に終
 わる。だから進行形を用いて何の問題もない。

 しかし、Cの場合の see のように「分かる」という意味で用いる場合に
 は進行形にすることはできない。理解したことが自然消滅することは
 ないからである。

 同じことは、hear(聞こえる)と listen to(聞く、耳を傾ける)にも
 当てはまる※注。hear(聞こえる)も自動的に消滅するから、進行形に
 するとができる。学校や塾で習ったように「listen to は進行形にできる
 が、hear は進行形にできない」ではなくて「どちらも進行形にできる」。

 このように、see や hear に加えて、think なども、よく進行形で使わ
 れる。このほか、have は、「持っている」という意味では進行形にしな
 いが、「食べている」という意味では進行形にすることができる。

 進行形にできるかどうかのポイントは、「行動を表す動詞か状態を表す
 動詞か」ではなく、伝えたい内容が「自然消滅する」と相手が了解する
 かどうかなのだ。

   ※注 listen to と hear の意味の違いを理解しておくことは重要である。listen to は顔
   (耳)を向けるイメージ(〝Are you listening to me?" 話聞いてるの?)だが、hear はその必要
   はない(〝Can you hear me?" 電話などで「声聞こえる?」)。しかし、このような区別が「進行
   形にできるかどうか」の基準にはならないのである。


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1-8.進行形にできない動詞

 現在進行形は「ある行動がまだ終わっていない状況」を人に伝えたい
 ときに使うが、そのような状況にそぐわない動詞がある。

 ここでまず確認しておかなければならないことがある。それは、英語
 は、「これから~する」(動作)と「すでに~している」(状態)を
 区別する、ということだ。

 例えば、「風邪をひく」という動作は“catch a cold”で表すのに対
 して、「風邪をひいている」という状態は“have a cold”で表す。
 「息子が学校で風邪をもらってきて、今家族全員が病気になっている」
 は、〝My son caught a cold at school, and now everyone
 in our family has a cold." というふうに catch a cold と
 have a coldを使い分けることになるのだ。 ※注

 ※注  “catch”は「感染する」という意味なので、移らない病気には使えない。移らない病気にかかったときは、“have” あるいは“get” を使う。なお、病気や症状に関する表現には次のようなものがある。“has/has got cancer”(がんになる)、“have a cough”(せきが出る)、“have a sore throat”(のどがヒリヒリする)、have a headache/toothache/stomachache(頭/歯/胃がズキンズキンする)、“have a bad back(腰が痛い)、”have hayfever“(花粉症)、”My nose is itchy“(鼻がかゆい)、”My nose is blocked.“(鼻が詰まっている)、”have a runny nose”(鼻水が出る)、“have a fever”(熱がある)、“I can’t stop sneezing.”(くしゃみが止まらない)
 
 もう一つ例を挙げると、「参加する」という動作は join で表すのに対し
 て、「参加している/所属している」という場合には be in~ や
 belong to~ を用いる。

 このように、英語は、「これから~する」(動作)と「すでに~してい
 る」(状態)を区別する。このうち、状態を表す動詞は、基本的に進行形
 で表さない。

 例えば、状態を表す動詞には、like(好き), know(知っている),
 understand(理解する), belong to(~に所属している), believe
 (信じる) ※注, have(持っている), think(~と思う), see(見える),
 hear(聞こえる)などがある。

 ※注 「信じる」には、“believe”と“trust”がある。“believe”は具体的な発言を信じるという
    意味(“Believe me.” オレは嘘はついていない!)なのに対して、“trust”は信用があるとい
    う意味(“Trust me.” オレを信じてついて来い!)である。



 これらの「状態を表す動詞」で伝えた内容は、その後もずっと続くものと
 して相手に了解される。もし、そうでなくなったと伝えたいときは、後で
 改めて相手に対して、訂正や、変更、終了を申し出なければならない。
 〝I love you.”と伝えれば、どちらかが別れ話を切り出すまでは、愛し
 い気持ちは変わらないとお互いに思っているはずだ。   

 これに対して、進行形で伝えた内容は、後で相手に何の断りを入れなく
 ても自動的に終了(自然消滅)するものとして相手に了解される。
 だから、状態を表す動詞を進行形にすることは、基本的にやらない。
 〝I’m knowing him.”(自動的に彼のことを知らなくなる) とか
 〝I'm believing you.”(自動的に信じなくなる)などという表現は
 意味不明なのである。

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1-7.現在進行形の用法

 現在進行形は、動詞を「be動詞+~ing」の形で表す。

  例文2 He is listening to the music.
     彼は音楽を聴いているところだ(まだ聴き終わっていない)
  例文3 I'm meeting my friends tomorrow.
      明日友人と会う予定だ(まだ予定が終わっていない)
  例文4 You are wrong in this point.
      You are being wrong in this point.
      あなたはこの点で間違っている
  例文5 They are always complaining.
      彼らはいつも不平ばかり言っている


 動詞を現在進行形にすることによって、例文2のように、「~していると
 ころ」「今だけ~している」という意味になる。

 ところが現在進行形は、例文3のように、「~する予定だ」という未来に
 起こることも表す。このように現在進行形は、今していることにも、これ
 からすることにも使われる。これはなぜだろうか。

 実は、現在進行形は「(ある目的が達成されるなどして)いずれ終わる
 状況」や「まだ終わっていない状況」を人に伝えたいときに使うのであ
 る。
 
 例文で詳しく考えてみよう。
  A)I'm thinking about moving.
  B)I 'm hearing a door opening.

 Aの文ならば、「このところ引っ越しを考えていて、今もまだ結論がで
 ていないんだ」というニュアンスが伝わってくる。今は結論を出せない
 が、やがて結論は出す、このような意思をくみ取ることができる。

 Bの文はどうか。単に「ドアが開くのが聞こえる」としたのでは、もっ
 たいない。Bの文を現在進行形で表現している以上は、「まだ~が終わ
 っていない(まだ~している)」というニュアンスを感じ取ってほしい。

 つまり、Bの文は、「さっきからドアが開く音が聞こえてきていて、ま
 だその音が鳴っている」という、その場の不気味な雰囲気をつかむこと
 ができるだろう。初め音を聞いたときは、「そのうち止むだろう」と思
 っていたが、まだその音が聞こえているのである。

 さらに、例文3のように、現在進行形が未来を表すことにも納得がい
 く。予定が達成されれば、その予定は終わる。つまり、「いずれ終わる
 状況」「まだ終わっていない状況」なのである。友達と会う予定があっ
 て、会ったら予定は終わる。今は会うことを残すのみだ。だから、これ
 からやることがらについて、現在進行形で表現するのである。
 I’m coming!(これからあなたのところへ行くね)というのも、同じ
 ことだ。

 同じ理屈で、現在進行形を使うことで、表現をソフトにすることもでき
 る。

 例えば例文4のように「現在形」を使うと、「あなたはいつも間違ってい
 る※注」というキツイ言い方になってしまう。
 しかし、これを現在進行形にすれば、終わることが予定されているか
 ら、間違いは修正される余地があることを伝えることができる。
 「あなたはいつも間違っている!」と「あなたはまだ間違っているよ」
 はニュアンスが違うのだ。

※注 モノの調子がよくないという場合に“wrong”は使えない。例えば、“My personal computer is wrong.” としてしまうと「パソコンが間違っている!」という意味になってしまう。モノの調子が悪いときは、“There is something wrong with my personal computer.”

 例文5の場合は、「”always”はいつもだから現在形に使うもの」「現在
 進行形は今だけのことを表す」と考えている人には意味不明な文だろ
 う。
 
 しかし、“They are complaining.”は「不平を言うのをまだ終えない」
 という意味だから、“They are always complaining.”は「不平を言
 うのをいつも終えない」、つまり「いつも不満ばかり言っている」という
 意味になるのだ。

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